ロイヤルカナン価格に見合っている?原材料と評判を徹底解明
ペットフード売り場で販売されるキャットフードの中では価格が高めで、知名度も高いロイヤルカナン。
普通は、価格=品質と考えますから、ロイヤルカナンのキャットフードは猫に安心してあげることができると思いがちです。
また、動物病院やブリーダーさんから”おすすめ”だと言われますと、「間違いなく良いキャットフードね!安心!」と確信してしまいますよね?
ですが、ロイヤルカナンは本当にあなたの猫に安心してあげられるキャットフードメーカーなのでしょうか?
ご自身で原材料を確認されたことはありますか?
こちらのページでは、ロイヤルカナンが実際に安心して猫にあげても良いキャットフードなのかを、原材料と評判から徹底解明します。
ロイヤルカナンとは?
ROYAL CANIN
- 創 設:1968年
- 創設者: フランスの獣医師ジャン・カタリー博士
- 目 的: 「皮膚病を患う犬たちを、薬を使わずに食事で健康にしてあげたい」
- 本 社: 南フランスノエマルグ
- 工 場: フランス、オーストリア、カナダ、南アフリカ、アメリカ、ブラジル、アルゼンチンなどに11の工場を所有(2017年2月24日現在)
本社のイメージが強く、ロイヤルカナン=フランス!と、日本人にとって、とても良いイメージを持つブランドです。
ただ、2007年に起こった大リコール事件の際にもロイヤルカナンのペットフードは含まれており、その後工場は再編成されていますから、イメージだけでキャットフードを選ぶのはあまり良い方法ではありません。
大リコール事件についてはこちらでご確認ください。
>> ペットフードで犬猫が大量死!成分偽装の実態とその後の中国の動き
ペットフードに使われる材料も、私たちが普段食べている食べ物と同じで、世界中から集められています。
さらに、それぞれの工場独自に材料を調達しているようですから、ロイヤルカナンのペットフードの安全性は、どの工場で作られたのかによっても変わってくるようです。
日本で販売されるロイヤルカナンが韓国工場製になる?
日本向けの製品についてはフランス、オーストリア、オーストラリア、カナダの工場で製造されていますが、韓国工場を建て、日本向けの製品を、材料も韓国で調達し製造するという情報が2014年に流れました。
そのためロイヤルカナン離れが始まることになります。
さらに2年後の2016年、翌年の2017年には韓国工場の話が本格始動するとの情報が流れたことで、一層ロイヤルカナン離れに拍車がかかりました。
猫は食べ物の好き嫌いが激しいですから、今日からこれね、というわけにはいきません。ですから余裕を持って動いたわけです。
ただし2017年12月に、韓国工場についてロイヤルカナンに確認したところ、下記のように返答を頂いております。
- 韓国工場は、2018年半ばの生産開始を予定している。
- 生産を開始しても日本に輸入する予定はない。
- 韓国工場から輸入を開始することがあれば事前にお知らせをする。
- 原産国表示はパッケージに記入してあるのでそちらでも確認ができます。
これは推測ですが、思ったよりも飼い主さんの不安が大きく、予定を変更せざる得なかったということでしょう。
ではこれほどまでに不安がられる理由は何なのでしょう?
韓国工場生産による質の低下や悪化が不安
日本向けのロイヤルカナン製品が、韓国工場に変更になった場合は別の会社のペットフードに変更する、という意見が多く有る背景には、韓国には犬を食用とする習慣があることへの精神的な拒絶の他に、安全性軽視への不安があります。
韓国で牛肉スープのレトルト食品が大問題となっている。有機食品で有名な「こだわりの店」が製造販売していた“高級品”が、「(エサに)抗生物質を使わず育てた牛の骨を使っている」とPRしながら、実は一度スープを取った後のダシガラ、しかも普通に抗生物質入りのエサを与えていた牛の骨を混ぜていたのだ。
現地紙の全羅南道新聞(電子版)によると、同署は昨年11月から4月までの間に、青のりに付着している異物を取り除くための塩酸を約1万700リットル(ドラム缶約54本分)と、成長を促進させるための硫酸約2万5340リットル(同約127本分)を押収した。
安心できないのは食品だけではない。韓国では今年5月、加湿器に使う殺菌剤で1500人以上が死傷する事件が起きたが、9月にはこの殺菌剤に使われていた化学薬品(CMIT/MIT)が歯磨き粉に含まれていたことが判明した。朝鮮日報(電子版)などによると、その数は10社の68種の歯磨き粉にのぼったという。
製品の安全性が問題視されているのは日本国内も同じ
日本でも産地や食材の偽装はあります。また、海苔の酸処理は環境汚染の原因となっていますが、日本でも一般的に行われています。(※通常は硫酸アンモニウムを使用)
さらにヘアカラー剤には、下手をすると完治までに1年かかる強い毒性を持った化学物質が使用され販売されています。
(代替品が見つからないとの理由で日本の政府が使用を認めています。※猫のいる部屋でカラーリングをし、成分を吸わせないで下さい。大変危険です。)
ですから韓国だけでなく、例え日本にロイヤルカナンの工場が出来たとしても購入者は減少するように思います。(実際国産の一般ペットフードの評価は低いですよね。)
そこでより安全性の高いEUやオセアニア産のペットフードを求める動きの中でロイヤルカナンの評価が高くなっているわけです。
では次の項目で、最高の品質と安全性を持つと謳われているロイヤルカナンのキャットフードから2種類の原材料を見ていきましょう。
ロイヤルカナンの原材料の質は?安全なの?
健康に問題が無ければ選ばれるのFHNのインドアと、長毛種や、ヘアボールが気になる場合に選ぶヘアボールケアの2種類を見ていきます。
ロイヤルカナン FHN インドア |
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肉類(鶏、七面鳥)、米、小麦、とうもろこし、植物性分離タンパク*、動物性脂肪、加水分解タンパク(鶏、七面鳥)、小麦粉、植物性繊維、ビートパルプ、酵母および酵母エキス、大豆油、フラクトオリゴ糖、魚油、サイリウム、アミノ酸類(DL-メチオニン、タウリン、L-カルニチン)、ゼオライト、ミネラル類(Ca、Cl、Na、K、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、ナイアシン、B2、パントテン酸カルシウム、B1、B6、葉酸、ビオチン、B12)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル) |
ロイヤルカナン FCN ヘアボール ケア |
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肉類(鶏、七面鳥)、植物性分離タンパク*、とうもろこし、植物性繊維、米、動物性脂肪、加水分解動物性タンパク、小麦、とうもろこし粉、コーングルテン、ビートパルプ、酵母、大豆油、魚油、フラクトオリゴ糖、サイリウム、アミノ酸類(DL-メチオニン、タウリン)、ミネラル類(Ca、K、P、Zn、Mn、Fe、Cu、I、Se)、ビタミン類(A、コリン、D3、E、C、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、B2、B6、B1、葉酸、ビオチン、B12)、酸化防止剤(BHA、没食子酸プロピル) |
原材料を見て驚きましたが、普通に考えれば決してお勧めしたくはない材料が上位に並んでいます。
- ”肉”ではなく、鶏や七面鳥(の一部)を粉砕した”肉類”。
- アレルギーの原因となっている言われる穀物。
- 何の動物の物かわからない脂肪。
- 砂糖大根(ビート)から糖分を抜き取った後の産業廃棄物。
- 鶏・豚などの配合飼料のアミノ酸バランスを改善するために用いられているDL-メチオニン。
- 発がん性を持つBHAと没食子酸プロピル(もっしょくしさんプロピル )。
また、原材料は加工品が主ですから、調達先によってペットフードの安全性が大きく変わって来そうです。
詳しく見ていきましょう。
肉類とは?
肉類は、かつて家禽ミートと表示されていたものになりますが、ロイヤルカナンでは2016年8月から表示を改めたようです。
原材料名の呼称を分かりやすく変更しました
お客様の声からの学び
2016年8月25日
原材料に記載している、家禽ミートは、何の肉ですか?家禽ミートは、どう読むのですか?といったお問合わせをお客様より多くいただいておりました。家禽(かきん)という字は、読み方も分かり難いものでした。
パッケージ等に原材料名として記載している、家禽ミートという表記を、より分かりやすく、肉類(鶏・七面鳥)に変更してまいります。原材料名の呼称の変更のみで、使用している肉の種類や内容を変更したものではございません。
引用:ROYAL CANIN お役様相談室
肉類とは、私達人間が食用にする部位を取り去った後の部分になり、言い方を変えますと、産業廃棄物です。
家禽ミートが私たちが考える”肉”を指すものでは無いということが広く知れ渡ったためか、呼称が”家禽ミート”から”肉類”に改められています。そして他のメーカーも同じように変更が進みました。
例 シーバ デュオ 香りのまぐろ味セレクション
肉類(チキンミール、豚副産物、チキンエキス、ささみエキス等)、穀類(とうもろこし、米、小麦)、油脂類、・・・・
肉類で成分調整が可能
肉類とは前述致しましたとおり、人が食用としない部位になり、当然くちばし等も含まれます。(※糞尿も含まれている可能性もあります)
しかしそれらから猫が栄養を得ることは難しいのですが、成分上では”たんぱく質”の値を上げることが可能です。
2007年の大リコール事件は、たんぱく質偽装の為に、食用ではない化学物質のメラミンを添加したことで起こっています。
インドアとヘアボールケアの成分表示を確認
- インドア・・・たんぱく質25.0%以上
- ヘアボールケア・・・たんぱく質32.0%以上
なおFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)が設けた栄養ガイドラインの維持期の最小値は、25%です。
インドアに25%含まれる”たんぱく質”を、全て猫が吸収し栄養と出来れば健康面で大きな問題は起こりそうにもないですが、原材料の上位が肉類、米、小麦、とうもろこしでは不安を感じます。
また、たんぱく質が32.0%以上含まれるヘアボールでも同じことが言えます。何由来の”たんぱく質”ですか?と。
穀物の使用目的は?
猫には、穀物や食物繊維を分解し栄養を吸収することは出来ないと言われています。
それどころか、近年アレルギーを持つ猫が増えている原因の一つが穀物の摂取だとさえ言われています。
そこで以前から言われていますのがカサ増目的では?という疑問です。
さらに前述致しましたとおり、猫が消化吸収出来ない穀物の”たんぱく質”も、成分的には”たんぱく質”です。
体に害を与える化学物質を添加するのは問題外ですが、猫が栄養として吸収できない成分で表示上賄っているかのように見えるのは気になりますね。
ビートパルプって何?
ビートパルプとは、甜菜(てんさい)から糖分(てんさい糖)を抜き取った後に残る繊維になり、産業廃棄物です。
ですがそのビートパルプは、牛が好んで食べることから飼料として使用されています。
そしてその繊維をキャットフードにも使用しているのですが、前述致しましたように猫には消化は出来ませんし、あまり多く入れますと便が硬くなり便秘の原因になると言われています。
油脂類の問題
油脂類は成分調整だけでなく、香りづけの為にも使用されます。
ですが油は酸化しやすい物質になります。そしてその中でも動物性の油脂になりますと特に酸化が早いですから、原材料の段階で酸化防止剤の使用は必須になりますが、材料に使用される添加物には表示義務はありません。(※酸化防止剤については後述致します)
また、どれくらいの鮮度の、何の動物の油脂を、どのようにして抽出しているのかは不明です。
ですから、油脂類は出来るだけ避けたい材料の一つになるのです。
DL-メチオニン
DL-メチオニンは、家畜の配合飼料の成分調整の為に使用されています。私達が食べる段階の”肉”では健康に害は無いと言われていますが、直接猫に食べさせるのは控えたい化学物質のうちの一つになります。
BHAや没食子酸プロピル(もっしょくしさんプロピル)の安全性は?
BHA(ブチルヒドロキシアニソール)は発がん性のおそれと、アレルギー性皮膚炎を起こすおそれが、そして没食子酸プロピル(3,4,5-トリヒドロキシベンゾアート)はアレルギー性皮膚炎を起こすおそれがある化学物質になります。
ブチルヒドロキシアニソールの安全データシート(SDS)
注意喚起語
- 警告
危険有害性情報
- アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
- 発がんのおそれの疑い
- 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
- 水生生物に毒性
- 長期的影響により水生生物に毒性
引用元:SDS「ブチルヒドロキシアニソール標準品(異性体混合物)」和光純薬工業株式会社
没食子酸プロピルの安全データシート(SDS)
注意喚起語
- 警告
危険有害性情報
- アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ
BHAはこのようにいくつかの毒性を持つのですが、酸化防止力が強く使い勝手が良いため、人が食べる食品に関しても酸化しやすい油脂、バター、魚介乾製品、魚介塩蔵品や魚介冷凍品などに使用されています。
なおロイヤルカナン側は以下のように説明をしています。
EU理事会ならびに日本のペットフード安全法で定める「エトキシキン、BHA、BHTの単独または合計量が150ppm以下」の基準内で使用しています。
ロイヤルカナン製品に使用しているBHAの量を一生食べ続けたとしても健康に影響を及ぼすことはありません。
引用元:ロイヤルカナンお客様相談室 品質・安全性について
現在、ロイヤルカナンと同価格帯のペットフードに、BHAや没食子酸プロピルを酸化防止剤として使用しているメーカーは少なくなってきています。
比較的油分が多いと言われるロイヤルカナンでは切り替えが難しいのでしょうか?
ヒトに使われる食品添加物であっても、一生食べ続けたとしても影響を及ぼすことは無いとして使用されているのが現状です。
ですが現在、2人に1人が癌になっていると言われていますし、ヒトも様々なアレルギーを発症し、また不妊などの多くの問題を抱えています。
風味としても成分としても、”肉”を使えば必要の無い油脂の添加が、なぜロイヤルカナンのペットフードでは必要なのかを考える必要はありますね。
では次に評判や口コミをみてみましょう。
ロイヤルカナンの評判や口コミは?
では実際にロイヤルカナンの評判や口コミを見てみましょう。
Amazonでのロイヤルカナン FHN インドア 猫用 4㎏の評価は?
165レビューで星4.5!
とても高評価です。
良い意見
- ブリーダーとペットショップ御指名で安心!
- 頑固な便秘が解消!
- 10年以上愛用で健康状態も便の具合もいい!
- 糞便臭が大幅にカット!
- 飽きずに食べてくれる!
良くない意見
- 油でギトギト・・太りました。
- 品質が安定していない気が・・・。
アヴェル楽天市場店でのロイヤルカナン FHN インドア 猫用 4㎏の評価は?
269レビューで星4.80!
こちらもアマゾンと同様にとても高い評価になっています。
良い意見
- よく食べてくれます!
- 他社のフードに変更すると糞の臭いが・・ロイヤルカナンに戻しました。
- 吐かなくなった!
- 毛づやがとても良い!
- ロイヤルカナンしか食べてくれない・・。
良くない意見
- 食いつきが悪いです・・。
アヴェル楽天市場店では、商品そのものに関する良くない意見は「食いつきが悪い」というのが1件あるのみです。
凄いですね。
ロイヤルカナンの評価まとめ
とても評価の高いロイヤルカナン。
ただ、その価格に見合った材料を使っているかと言いますと、そうでもないように思えます。
肉や野菜そのものを、そして肉食である猫が自然に消化吸収できる食材を使い、そして本来食べることが無いだけでなく、アレルギーの原因となっていると言われる穀物や、アレルギーを引き起こしたり発がん性を持つ化学物質を使っていなければ、イメージどおりだったのですが・・・。
またくどいようですが、原材料に本来産業廃棄物となるものや加工品が多く含まれるということは、調達先による品質の違いが猫の健康を大きく左右するということを指します。
ですから、ロイヤルカナンのペットフードは、手放しでお勧めしますとは言えない、というのが正直なところです。
なお並行輸入品は、正規輸入品に比べて購入しやすい価格にはなりますが、輸送状況や保管の仕方、何かあった時の対応の遅れへの不安があります。
さらに先にお伝えしましたように、ロイヤルカナンは世界中に11の工場を持っています。並行輸入品を購入される場合には、製造場所をその都度確認された方が安心だと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございます。あなたの猫にとって最適なキャットフードが見つかりますように。